競走馬の骨折

競馬

競走馬とはどういう生き物?

競走馬に用いられるサラブレッド種は、18世紀初頭にイギリスでアラブ馬ハンター(狩猟に用いられたイギリス在来の品種)等から競走用に品種改良された軽種馬で競走時には人を背負った状態で、数分間継続して50〜70km/h速度で走る能力を持つ。体高はおよそ160cm~170cmで体重は450kg~500kgであるが、四肢細く長く臀部の筋肉は非常に発達している。とくに競走馬は運動器疾患が多く骨折はその代表となっている1)。

出典:https://www.keibalab.jp/column/focus/352/

競走馬の骨折

競走馬の骨折約98%は四肢を構成する骨に起こっており、躯幹骨の骨折は非常に稀である2)3)。前肢後肢約4倍(前肢は約80%、後肢は約20%)の骨折を発症することが報告されており4)、前肢では腕節からまでのいわゆる下脚部で高率に発症し、しかも関節内骨折大半を占めている5)6)。年齢別にみてみると、若い馬の骨折発症率が高く、成長を構成している末節骨から始まり、上脚部化骨が進み、満5歳の頃に脊椎を最後にようやく終了するといわれている7)。若い馬に骨折が多いのは、形態学・機能的にも成熟していない状態で競走馬としてのトレーニングやレースに十分に対応しきれていないことが背景にあると考えられている8)。

出典:https://www.jra.go.jp/kouza/thoroughbred/mechanism/bone/

腕節部骨折競走馬に多く発生することが知られているがレースや強い負荷のかかる調教前肢の踏着時に非常に大きな力が加わり、腕節過伸展となることで発症すると考えられている9)10)。腕節における最も多い骨折剥離骨折である。腕節部骨折治療法としては、剥離骨折では骨片外科的摘出、とくに関節鏡による摘出一般的な方法である。予後骨片大きさ部位関節面のダメージの範囲により異なる11)。骨片が小さく、骨折直後であれば、骨片摘出後3〜6ヶ月の休養で調教を再開できる。しかしながら、多くの場合、競走馬で最も多く発生する運動器疾患の中でも骨疾患腱・靭帯疾患は6ヶ月以上の長期間休養必要であるため、その予防治療に関する研究世界的に行われている。しかし、競走馬運動器損傷を受けた馬の管理運動の調査治療効果についての報告はほとんどない。現況においても獣医師による直感常識および経験に基づいていることがしばしば問題視されています。競走馬として能力発揮できるピークは、4歳くらいだと言われているため、完治するまで休養をしてからリハビリテーションに入ると競走馬として能力を高く発揮できる時期を逃してしまう可能性がある。また、経済動物であるため休養期間中にも経済的負担馬主に強いることになるため、一刻早い競走復帰低い再発率が求められています。

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  1. 日本ウマ科学会編(2013) 「競走馬ハンドブック」 丸善出版株式会社
  2. 兼子樹広・及川 正明・吉原 豊彦(1993) 「競走馬の骨折の病理学的観察」 日本獣医学雑誌 551p181-183
  3. www.b-t-c.or.jp/btc_p300/btcn/btcn74/btcn074-04.pdf#search=%27%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC++%E9%AA%A8%E6%8A%98+%E7%B4%8480%25%27
  4. Kunio SHIMOZAWAYoshiharu UENOShigeto USHIYARyo KUSUNOSE Survey of Arthroscophic Surgery for Carpal chip Fractures in Thoroughbred Racehorses in Japan Journal of Veterinary Medical Science Volume 63 (2001) Issue 3 page 329-331
  5. http://company.jra.jp/bajikouen/health/kossetu.pdf#search=%27%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC++%E9%AA%A8%E6%8A%98+%E4%B8%8B%E8%84%9A%E9%83%A8%27
  6. Yousuke MAEDAMichiko HANADAMasa-aki OIKAWA(2016) Epidemiology of racing injuries in Thoroughbred racehorses with special reference to bone fractures:Japanese experience from the 1980s to 2000s J.Equine Science Volume 27(2016) No. 3 page 81-97
  7. www.b-t-c.or.jp/btc_p300/btcn/btcn72/btcn072-03.pdf#search=%27%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC++%E9%AA%A8+%E6%88%90%E9%95%B7%27
  8. http://www.b-t-c.or.jp/btc_p300/btcn/btcn75/btcn075-03.pdf#search=%27%E7%AB%B6%E8%B5%B0%E9%A6%AC++%E9%AA%A8+%E6%88%90%E9%95%B7+%E8%8B%A5%E3%81%84%E9%A6%AC%27
  9. 及川 正明・久保 理江・大浪 洋二(2008) 「競走馬の橈骨遠位端骨折の関節鏡手術について」 日本家畜臨床学会誌2008,Volume 31(3) page 165-168
  10. Engiles JBStewat HJaneskennedy LA(2017) A diagnostic pathologists guide to carpal disease in racehorses」 J Vet Diagn Invest.2017 Jul;29(4)414-430
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